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グラスゴーから車で南下していくと、海岸沿いにエアという古い町がある。そこからさらに海岸沿いを南に向かっていくとターンベリーホテル ゴルフコース&スパに辿り着く。車で、およそ1時間ほどの道のりだけれど、僕はターンベリーにいくとき、必ずエアという町で、小休止する。エアは、いまでも昔ながらの雰囲気を持つ町で、全英オープン初期の舞台となったプレストウイックやロイヤル・トルーンが、この町のすぐ近くにあるから、ゴルフとは切っても切れない縁がある。
アフタヌーンティを終えて、夕暮れどきになりかかったときに、車をターンベリーまで走らせ、ファイブスターのホテル、ターンベリーにチェックインすると、なんとなく心も優雅な気持ちになってしまうのだ。
コースは、1906年に出来上がったというから、いまからおよそ100年前。2度にわたる大戦中、コースは空軍の接収にあって、フェアウエイは滑走路に変貌してしまった。コース・デザインも環境も、全英オープン開催の公式コースとして誰もが妥当と認めていたにもかかわらず、ここで初めて全英オープンが開かれたのは1977年だったというのは、そんな経緯があったからである。
僕が宿泊したのは、このホテルの角部屋にあたるセミ・スイートだった。部屋にあるライティングテーブル越しから眺める眼下のコースと、その先に広がる大海原が明日のゴルフへの期待感と不安感で武者震いするほど、たまらない気持ちになったことを思い出す。ここでニック・プライスが1994年の全英オープンで終盤の17番ホール、劇的なイーグルパットを沈めて優勝した。
「自分の精神をフラつかせることなく、最初のショットはフェアウエイにということだけを考えるようになってから、私のゴルフは変わったんです。人間は一度に2発は打てないんですよ。目の前にあるそのボールしか打てない。それに集中してベストを尽くすと、きっと最後の何ホールかで、いい思いをさせてもらえる」というプライスの言葉は、このターンベリーでプレーするときに肝に銘じておくべきである。

