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宮城裕治氏(クールデザイン主宰)が語るMTIウェッジ製作の舞台裏。インタビューの後半では、谷原秀人プロや矢野東プロも出場した今年の全英オープンについての話も聞かせてくれた。

毎週トーナメント会場に足を運び、選手たちと密なコミュニケーションを図りながらウェッジを製作する宮城氏。もちろんトーナメント会場では、他のウェッジを使用するプロからの新規オーダーも多く寄せられる。「多くの場合、他のプロに借りたMTIのファーストショットで好感触を得てオーダーに来ます。その場合、貸した選手のMTIとオーダーした選手のウェッジが参考になります。それとは逆に、MTIを使ったことのない選手から注文を受付けた場合は、その選手が好むフェース形状をじっくり見て特徴を覚え、選手のアプローチミスの傾向をリサーチしてソールの形状を相談しながら最適なデザインを提案します。もっとも最近は、選手が自分のエースクラブを置いていくことも多くなってきました。

選手たちが1シーズンにオーダーするMTIウェッジは平均4〜5本。フェース面の磨耗やプレーの調子で使い分けたりするわけだが、中にはコースコンディションに応じたMTIウェッジを求める選手も少なくない。 「例えば、中日クラウンズの舞台となる名古屋ゴルフ倶楽部和合コースは、日本ツアーの中でも有数の難コースです。フェアウェイは硬いし、グリーンは砲台。しかも高速で硬いのでボールが止まらない。そんなことから毎年、オフシーズンの間に選手と相談して、“和合用ウェッジ”を製作します」。

これと同様、専用ウェッジを用意するのが全英オープン。今年は谷原、矢野の両選手が出場。宮城氏自身も過去に2回会場に足を運んでおり、今年が3回目の全英となった。 「会場は、風と硬い地面で知られるリンクスコース。過去2回の全英では、地面の硬さや芝生の状態を丹念にチェック。今年は、その経験を踏まえて、硬い地面でも絶対に跳ねない安心して使えるウェッジを作りました。クラブを選手に渡したのは出発のわずか2日前。大切な試合を前に、コンディションが異なる日本のコースで使うと、選手に迷いが生じる可能性がありますからね」。

その2008年全英オープンだが、宮城氏にはとても大きな収穫があったという。「世界のトップといわれる選手たちは、攻め方がとてもシンプルです。アプローチショットでは、ボールを上げなくてはいけない状況を除いて手前から足を出して寄せていくといった具合に、難しい状況以外では特別なことは一切しない。ノーマルな状況ではこのように手前から足を出して寄せていきながら同じ結果を残しています。ウェッジに求められるのは確率の高さであるとあらためて実感しました」。 日本オープンをはじめとする秋のビッグトーナメントが次々と開催されるとともに熾烈なシード争いが繰り広げられる秋。ツアーが白熱するとともに、宮城氏の忙しさも日々増していく。
(おわり)




