三田村
07年ツアーは優勝をつねに意識してプレーした一年だったと思います。しかし、2勝目は飾れず、全体的にゴルフも成績もちぐはぐだったのではありませんか。まずは07年の一年を振り返っての感想を話して頂きましょうか。
矢野
07年1月は、米ツアーのソニーオープンに出場し、予選通過。4日間プレーできました。年明け早々の試合でしたが、前年の好調さをキープできていると感じていましたね。その流れもあって、充実したオフシーズンを送れました。
そして開幕戦から8試合連続で予選通過し、ベスト10入りが2試合、ベスト15入りは2試合。ベスト30は外さないという成績を残していました。部門別ランキングデータでも前年を上回る順位でした。フェアウエイキープ率以外は、ですけどね(笑)。それだけ成長したとは感じていたのですが…。

三田村
自分なりに2勝目の手応えは感じていたのですね。
矢野
ツアー前半戦ではパットのフィーリングがイマイチ悪く、パットさえ決まっていたなら優勝できた試合は何試合かあったと思います。そのパットのフィーリングの悪さをずっと引きずってしまいましたね。
三田村
JCBクラシックで優勝争いを演じ、2位タイになってからは、目立った成績を挙げられませんでしたね。何か理由があったのですか? 優勝を逃した後遺症?
矢野
JCBクラシック終了後、ツアーは2週間のオープンウイークとなり、ミズノオープンよみうりクラシックで再開しましたが、その試合で何か変だと感じたのです。
三田村
それは技術、それともメンタルな面ですか?
矢野
それまで好感触だったものが、少し違和感を覚えたというか…。それをツアー終盤戦のVISA太平洋マスターズまで引きずってしまったように思います。予選落ちはしないけれど、それ以上の成績を残せない、優勝争いに加われない。

三田村
矢野プロのプレーを見たり、聞いたりしていますが、どこか完璧主義なのではりませんか?
矢野
確かに、自分にとって許せないプレーに対して寛容になれない面はありますね。もっとレベルアップしたいと望み、試合中にミスをするとそれを許せない。少しでも100%に近づけよう近づけようと思いが強すぎるのか、ゆとりがなくなっていたのかも知れません。
優勝争いというか、上位に行けは行くほどプレーがシビアになる。予選通過しただけの順位ではプレッシャーを感じずにプレーするからシビアさはそれほどないですからね。
木目細かいプレーを積み重ねて行ってこそ、順位を上げられる。前半戦は、もっと木目細かく、もっとシビアにプレーしたなら勝てそうだと感じていました。「もっともっと」という気持ちを求めなくては成長できないと思う反面、求め過ぎもよくないとは思うのですが…。
三田村
突き詰めよとし過ぎて全体が見えなくなったのでしょうね。自分の立ち位置が見えない、分からなくなってしまう。たとえば、調子を落とし始めると、スイングの一部分の悪さばかりがとても大きく感じられる。そこを矯正しなくてはグッドショットが打てないと極端に考えてしまう。
もっと自分の立ち位置を把握し、その自分を俯瞰(ふかん)して見られる余裕が必要でしょうね。 精神的余裕なくして、自分の立ち位置を俯瞰するのは難しいことですが。

矢野
ツアー終盤になってから、やっとその境地になれたというか。好調だった頃のスイングと不調になってからのスイングのビデオを見比べたら、ほとんど変わりがないことに気づいたのです。
三田村
何か、すでに感じ始めているようですね。そのお話は次回じっくりお伺いしましょう。
矢野
よろしくお願いします。(つづく)


