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全3回 リニューアル記念対談 矢野東 VS 三田村昌鳳「勝者への条件」vol.3

三田村
気持ちに余裕を持たせる大切さを大分理解できたようですね。

矢野
自分に対して過度に期待しないこと、期待しすぎるから小さなミスをも許せなくなってしまう。完璧主義者ならではかもしれませんね(笑)。

三田村
それと、無理に「運」を自分の方へ引きずり込もうとするよりも、運気が巡ってくるのを待てるようになったなら、もっと気を楽にしてプレーできるようになると思いますよ。何事も一生懸命になり過ぎなのでしょうね。

矢野
欲、見栄、期待……持ちすぎなのでしょうね。

三田村
何度も言うようですが、矢野プロのゴルフは見ていて「もったいない」と感じることが多いんですよね。自分の能力を使いこなせていない…。
たとえば、賞金王になった谷口(徹)プロや片山(晋呉)プロのプレーを見て、何かを感じる所がありますよね?

矢野
完璧なショットをいつも打っているわけではない。でも、ショットが大きく暴れることもない。

三田村
二人とも語弊があるかも知れませんが、「下手」を受け入れているのだと思います。以前、片山プロに取材した際、こんな話をしてくれました。「3番アイアンを格好良く打つ競争じゃない」。トッププロだからロングアイアンを使いこなす必要はない。球筋や距離を競うのがゴルフではないと割り切れている。だからショートウッドをいち早く取り入れ、ショートウッドの上手さも誰にも負けない域まで達している。

それに両者とも、つねに自分のゴルフをやり通しているという共通項があります。そして、その歯車がピタッと合った時には優勝する−−。矢野プロは去年、勝つことをいつも意識してプレーしていたから、大変だろうなと思って見守っていましたよ。

優勝をあまりにも意識したプレーでは、たとえば50考えれば良い所を100も200も考えなければならなくなる。これでは心身ともに窮屈になって当然ですよね。もっと肩の力を抜いたらいいのにと感じていましたよ。

矢野
僕は出だしから3ホールを無意識でプレーして、その3ホールで18ホールのスコアがボンヤリ見えてくるんです。それで、いつも好スコアを予感できればよいのですが、そうではない時もある…。
ボギーが来たり、ダブルボギーを叩いたりと必ず落とし穴って存在しますよね。リズムが狂ったり、スコアの予想が外れそうになったりすると巻き返そうとしてしまう。僕の理想は静かなゴルフなのですけど。

三田村
自分のゴルフの好不調の間を行ったり来たりすればいいのではありませんか。パットの調子が良ければ65、不調でも73に止める。ワーストスコアを最小限に止めるのですよ。
おそらく悪いゴルフをしていないのに成績が良くない。逆に決して良くないゴルフではないけれどスコアが意外に良いこともある。結局は、許せる自分を作ることが課題でしょうね。

矢野
そうですね。今年は心に余裕を持ち、完璧ゴルフを目指しつつ、それを強要せずに幅を持ってプレーして行きたいと思います。今年の僕のゴルフを見ていてください。

三田村
もちろんです。さらなる活躍を期待していますよ。(おわり)



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