−−今季初優勝おめでとございます。ノドから手が出るほど欲しかった2勝目をマークした気分は最高でしょう。

矢野
応援ありがとうございました。優勝できて嬉しいというよりも、実はホッとしているというのが本音ですね。
−−喜びよりも安堵の方が大きい?
矢野
ANAオープン最終日を迎えて2位に3打差をつけての首位スタート。3打差のアドバンテージを生かせて良かったというか、勝って当たり前って状況でしたからね。

−−ツアー後半戦に入ってKBCオーガスタで7位タイ、フジサンケイクラシックでは9位タイとベストテン入りを続け、そしてANAオープンで優勝。好調さが続いているのでは?
矢野
確かに成績は悪くありませんでした。2試合続けて優勝争いもしていましたしね。でも、この2試合では2打差、3打差を追う優勝争いでした。追う立場は、やっぱり辛い。頑張って頑張ってようやく追いついても一度ボギーを打ったら、再び追いつくのは難しい。
その点、追われる立場にはアドバンテージがあります。ANAオープンでは2番ホールで僕がボギーを打ってしまい、2位に1打差にまで迫られた。でも、そのボギーで追いつかれたわけではないし、まして抜かれたわけでもない。ここ2試合で「追うと追われる」との違いを、身を持って知っていた。それだけに、気持ちに余裕がありました。ショットもパットも調子が良く、自信を持ってプレー出来ていたのも心強かった。

−−勝負を決めたのは14、15番ホールでの連続バーディーでしょうか。
矢野
14番ホールのバーディーパットは下りのスライスラインで、前のホールでバーディーパットを外していたからどうしても入れたいと思っていました。グリーン奥を背にしたパットでギャラリーも僕の背後にいた。だからボールがカップに沈んだ時は、ギャラリーの方に向かってガッツポーズをしたんです。
15番ホールの2打目では、前の組がホールアウトするのを待っていたのですが、2位の選手がファーストパットを外し、セカンドパットを打った。けれど拍手が聞こえない。ボギーを叩いたんだ、これで差は広がったと思いました。そしてパーオンしてグリーンに上がった時、前の組のスコアボードを見たら、3打差になっていた。(ボギーじゃなく、ダブルボギーだったんだ)とわかったのです。このバーディーパットを決めれば4打差になる。冷静にそう考えられた。そしてバーディーパットを決めることができ、ガッツポーズが出ました。
しかし、今思えば7番ホールで無意識にガッツポーズをしていたのです。10メートルもあるバーディーパットだったし、1打差に迫られっぱなしでしたからね。このバーディーが本当に落ち着けたし、試合の流れが自分に来ているとも感じました。

−−ガッツポーズの向きを考えられるほど冷静で、余裕があった。勝因はパットですね。
矢野
実は開催週の水曜日プロアマ大会からにシルバーブレード(SB−03CS)パターを使い始めたのです。それまでショットはずっと好調だったのですが、パットがイマイチ悪かった。練習日に内藤(雄士ツアープロコーチ)さんにパットの不調を訴えたところ、このパターを試してみるように奨められたのです。打ってみたらボールの転がりは良いし、球足は伸びるし、打球感もいい。タッチが合うからラインも出せる。一気に悩みが解消しました。

−−2勝目を飾ったことで目標を改めて設定しなおさなければなりませんね。
矢野
トレーナーを変えてから体調はいいし、ショットの安定度も一段と高まっています。タバコを止め、酒を控え、時間があればトレーニングする。24時間ゴルフに費やすようになり、結果も着いて来ているのでプレーするのがとっても楽しいです。優勝できたことで自信が持てました。今週のパナソニックオープンでもベストテン入りや優勝争いができたなら、もっと大きな自信になると思います。これからあと1、2勝を挙げたり、1試合でも多く優勝争いをしたりすれば、賞金王のチャンスも高まる。だから目標は大きく、賞金王を狙って行きたいですね。
−−好調だからではなく、成長した証として一勝を挙げられた。ツアーはまだ10試合以上も残しているだけに、さらなる活躍を期待しています。
矢野
ありがとうございます。近くでトーナメントが開催される時は、コースへぜひ足を運んで応援して下さい。ファンの方々の声援が一番の力になります。


