

お正月番組で恒例になった『かくし芸大会』。堺正章さんといえば毎回難しい芸に挑戦し、披露してくれることで知られている。今年のテーマは「奇跡を作ろう」で、ホールインワンへの挑戦、達成であった。そして、打ち続けて3日目、961球目にみごとにやってのけたわけだが、このホールインワンの裏には、どんな話が隠れているのか。

−−この企画を持ち込まれたときには、どんな気持ちだったのですか?
堺
「いや、言いだしっぺは僕だったんです。ホールインワンに挑戦しようよって。本当にホールインワンが生まれるのか。自信があったわけじゃないけど、挑戦することでゴルフをやる人ばかりじゃなく、やらない人にもある種のメッセージを送れるんじゃないかと思ってね」

−−ホールインワンが出るまでやり続けるつもりだったのですか?
堺
「いや、協力していただいた伊豆のゴルフ場からの条件があった。お客さんが全てホールアウトした後なら、打ち放題。ただし期限は1週間という話でした。そこで夕方の5時過ぎから深夜までひたすら打ち続けることになったわけです。121ヤードに設定されたパー3です。1発目、いきなりシャンクです。このときの撮影スタッフ、関係者の顔といったらなかった。“おい、おい。こんなのでだいじょうぶなのか”って感じでした。正直なところ、僕もちょっと慌てました。なにしろ10台のカメラがセットされるという大掛かりな撮影でしたからね。期限内になんとかその瞬間をカメラに収めてもらおうと、気を引き締め直しましたよ」

−−企画が決まったあとツアーコーチの内藤雄士さんからアドバイスされたそうですね?
堺
「ええ。そんなに簡単に決まるものではないけど、決まる確率を高めるためには、方向性の高いアイアンと、グリーンに落ちてからある程度ランのでるボールを使った方がいい。そうアドバイスしてくれました。PRGRスタッフも協力してくれて501銀アイアンとディスタンス系のボールを用意していただきました。1日目ダメでした。2日目も400球ほど打ったけど、これまた決まらずに時間切れ。疲れてきて9番アイアンから7番アイアンに持ち替えるなんてこともしました。途中でダイレクトに狙うのではなく、スロープを利用して転がし入れるようにしようと、100球ほど持ってグリーンに行き、いろいろな方向から転がしてみたりもしました。そのときに気づいたのですが、カップ手前からスネークラインになっていました。ボールの落としどころが難しい状況だったのです。ホテルの部屋に戻って、期限内に決まらなかったときの処理をどうしようか…とか、“探さないでください”と書いた置手紙を残して姿を消してしまおうか…なんて考えましたよ。ま、置手紙は冗談ですけど、誰かが代役を受けてくれるはずもなし。自分だけが頼りですよね。これってゴルフの本質でもあるじゃないですか。そう考えると、ゴルフへの思い、深い感情がわいてきて、信じてひたすらに打つしかないと腹をくくれました」

−−堺さんは、ホールインワンを経験していらっしゃるのですか?
堺
「ええ、1度だけ経験しています。26歳のときだったですね。函館の大沼コースで183ヤードのパー3ホールでした。僕は9歳でゴルフをはじめましたから17年めにしてのエースということになりますか」

−−では、それいらいのホールインワンを目指しての企画ということで、挑戦3日目を迎えたわけですか?
堺
「ええ。深夜の12時を過ぎてすぐでした。961球目が、カップに沈んでくれました。達成感ですか? それよりスタッフ、関係者に迷惑をかけなくて済んだゾという安堵感の方が強かったですね。それと、無心に打ち続けられるようになって、この時間がもっと続くといいなっていう思いもありました。実にいい時間を過ごせました。そのことへの素直な感謝の気持ちがありました。この機会をつかわせていただいて、改めてテレビクルー、カメラスタッフ、ゴルフ場関係のみなさま、PRGRスタッフ、内藤コーチ、みなみなさまに感謝いたします」

