PRGR DESIGN PUTTER
COLUMN
03

意のままに距離を操る「絶妙タッチ」を目指して。

「しっくり」をテーマにしたプロギアのパターデザイン。今回はその本丸ともいえる「タッチ」の話をしてみたいと思います。

ゴルフとは非常に面白いものでショットとパッティングはそれこそ別物として考えられる風潮があります。たとえば通常のクラブではショット/スイングですが、パッティングの場合はストロークと呼ばれます。使う道具もグリーン上だけは極太グリップや多少異形のヘッドであってもOK。握り方もクロスハンドやクロウ、アームロックなどパッティング専用の特殊な方法が編み出されています。

「ナイスタッチ」もパッティングの時だけに使われる掛け声でしょう。

本格パターシリーズのプロジェクトがスタートした時、自然と浮上してきたのが人それぞれの「タッチ」をそのまま、実際の転がりに反映できるパターの開発でした。1メートルなら1メートル。弱めなら弱め。30センチオーバーならしっかりと30センチオーバーに打てること。そんな「絶妙タッチ」の提供を目指そうと決めたのです。

しかしながら、「絶妙タッチ」とは、そんなに簡単にデザインすることはできません。テスター1が大満足したパターでも、テスター2になると飛びすぎる!タッチが合わない!となってしまう。そう「絶妙タッチ」とは、あくまでもプレーヤーの感性に左右される主観そのもの。正解・不正解はなく合う・合わないの世界なのです。

私たちはその感性へのアプローチを「打球音」と手に残る「手応え」に定めました。インパクトの瞬間に大きな音がした方がいいのか、静かであるべきか。乾いた金属音か、少し湿り気を帯びた低音か。どのような音が軽いと言われ、手応えがあると言われるのか? とにかく打球音のバリエーション(フェースのテクスチャーデザイン)を作り、様々なテスターに「タッチの合うパターはどれ?」と聞いて回ったのです。

開発中に生まれた数々のフェーステクスチャーデザイン。

雲を掴むようなフィーリングテスト。最後に残った人気を二分したフェースのデザインパターンが「SOLID」と「MILD」でした。

PRGR DESIGN PUTTER SOLID MILLED FACE

しっかり打った感が出る大きめの打球音。
弾きのあるボールの飛び出し。打点の違いに敏感!

掘削ドリルの間隔が詰まっていて、ミーリングの深さは浅め。打音はやや軽く、大きめに響きやすい。音が出る分、打点の違いに敏感で、薄め、厚め、トゥ寄り、ヒール寄りなど、あえて芯を外して打つことで傾斜なりのタッチを作っていくタイプのゴルファーにも人気が高いミーリングデザインです。

PRGR DESIGN PUTTER MILD MILLED FACE

しっとりした静かな打球音。
ゆっくりめの飛び出しで安定感を強調!

掘削ドリルの間隔がやや広く、ミーリングの深さを深めにすることで、静かな打音を実現。常に安定した打感・打音でシンプルにタッチを作っていきたいタイプに人気なのがミーリングデザインです。音が低い分、ボールの飛び出しはゆっくり重たく感じられやすく、ツアー会場などのハイスピードグリーンでもソフトに打っていけるという意見もあります。

最も大切なポイント

2モデルそれぞれに「SOLID」と「MILD」の選択肢を設けたPRGR DESIGN PUTTERですが、試打する時に実践していただきたい大切なお願い事項があります。それが必ずラウンドで使っている「エース球」でテストしていただきたいということです。

パッティングのフィーリング(打感・打音)、タッチとは、使用するボールによって大きく変わります。例えば試打はPRGRボールで行ってフェースの仕様を決めたのに、実際のラウンドでは他ブランドのボールを使った! それではまったく意味がないのです。PRGR DESIGN PUTTERをお選びの際は「エース球」をご持参いただくか、あるいはフィッティング時に使用したPRGRボールでラウンドもしていただくか。そのどちらかの方法で私たちの提案する「しっくり感」をご評価いただければと思います。