第3話 『GRだけ何故太い?PRGRロゴの秘密。』

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PRGRの成り立ちや過去モデルの紹介、新製品開発に奮闘するスタッフの今、そして新しいクラブを世の中に生み出していくPRGRの未来をお届けするノンフィクション、PRGRクラブ開発物語・ギアスト!

今回はブランドの名刺ともいうべきロゴの秘密をこっそりご紹介したいと思います。

 

PRGRロゴの秘密

皆さまお馴染みのPRGRのロゴ。

 

 

プロギアという名前の由来と何故アルファベット4文字でPRGRなのかは、ギアスト!第1話でご紹介させていただきました。(ちなみに海外ではさすがにPRGRをプロギアとは読んでいただけません。”ピー・アール・ジー・アール”です笑)

第1話 『PRGRの挑戦』

なおこのロゴの書体は、”ヘルベチカ(Helvetica)”というものです。誕生から60年以上が経過しておりますがその完成度は高く、世界中の鉄道や空港などでも使われているくらい非常に視認性が高いことが特長です。PRGRというブランドのコンセプトを表現するのには、完成度が高くはっきりと見やすいこの書体が最適。ということでこの書体が採用されたのです。

 

でもこのロゴをよく見ると、GRが太字ですね。『なぜGRだけ太いのか?』この疑問を社内の人間に投げかけても答えられる人間がなかなかいません。ということでGRが太字の理由を探るため、横浜ゴムのロゴマークやアドバンタイヤのデザインなどを手がけていた、PRGR立ち上げ当時のデザイナーさんに直接聞いてみました。

 

デザイナー 『横浜ゴムが成熟したゴルフ業界にニューエントリーするには、他には無い全く新しい複合理論と製品でなくてはらない。というのが立ち上げ時の開発コンセプトでした。ロゴタイプというのは1つの記号であり、そのコンセプトを表現するものであるという考えから、複合コンセプトを徹底的に記号化し、PRをライト(細字)、GRをウルトラボールド(太字)のヘルベチカファミリーで組み合わせました。

デザイナーは単なる表現者でなく、コンセプトからブランドを構築していくためのチームの一員である。という考えでPRGRの製品、ブランド作りに大きく関与させていただきました。

 

なるほど!ご協力ありがとうございます。

伝統的スポーツ市場として成り立っていたゴルフ業界で、大手メーカーと同じことをしても意味が無くユーザーに見向きもされません。後発メーカーならではの新しいコンセプトで製品を提供すべく立ち上がったPRGRは、”複合”が事業展開、商品開発のスローガンでした。この”複合”をロゴで表現するため、細字と太字を組み合わせ、そして特にGEAR(GR)については”道具を作る”という強い意志とこだわりを込めて太字としたのでした。

 

ちなみに細字、太字の組み合わせロゴは他にもありました。それがこちら。

 

 

これは1983年に横浜ゴムがスポーツ事業に参入する際に立ち上げた販売会社、スポーツコンプレックス社(㈱プロギアの前身)のロゴです。

当初は様々なスポーツ、レジャー分野への参入を検討しており、ゴルフ、テニス、マリンスポーツ、さらにはスポーツサイクル、スキーウェア、ボウリングのボールなどで試作を進めていました(実際商品化したものもあります)。これらのスポーツの集合体(COMPLEX)という意味を社名としたのです。(なので当時は新入社員もゴルフ経験者はほとんどいなくて、テニスや野球、サッカー、サーフィン、スキーなど他のスポーツを得意分野とする人が多かったようです。このようなスタッフの多様性も斬新なブランドを育んだのかもしれません。)

1992年に発売したスポーツサイクル【アスクル MS-011】(画像粗くてすいません)

そしてスポーツコンプレックス社のロゴもCOMPLEXから母音を抜いてCPLXとし、さらにこの4文字が太字になっています。 スポーツの集合体としての”複合”という意味を表現するため、ここでも細字と太字を組み合わせたロゴをデザインしたのです。

 

 赤きPRGR

なお創業当時、主に使われていたPRGRロゴカラーはこちら。黄色がかった赤、いわるゆ金赤(キンアカ)でした。

 

 

なぜ初期のロゴは赤かったのか。それはクラブデザインに答えがあります。PRGRが最初に発表したクラブは、艶消し仕上げされたグレーカラーのカーボンヘッドドライバーでした。

PRGRのクラブ第1号M-1ドライバー(1983年)、グッドデザイン賞を獲得した最初のゴルフクラブとなる。

そしてこのクラブのフェーススコアラインとグリップには、差し色としてレッドが使用されていました。

グレーとレッド。当時のゴルフクラブとしてはかなり異質な色使いですが、そこに新しい時代のクラブだということを感じさせる意図があったのです。そしてこの差し色のレッドが当初のPRGRのロゴカラーであり、グレーはPRGRのイメージカラーとして店頭コーナーやカタログなどに使用されたのです。

 

ということで、今回はPRGRロゴの秘密についてご紹介しました。次回は、”PRGRとデザインの関係”についてもう少し深く掘り下げてご紹介したいと思います。

 

お楽しみに。

コメント

  1. 捕らぬ狸 より:

    GRの太字の意味、さらに自転車まで作っていたのですか~。実に興味深いです。ブログの更新が楽しみで仕方ありません。

    1. prgr より:

      捕らぬ狸さん
      コメントありがとうございます!今まで知らされなかった(私も知らなかった)PRGRの秘密にどんどん切り込んでいきたいと思います。お楽しみに(^_^)

  2. カズさん より:

    こういうことでしたか。合点!

    1. prgr より:

      カズさんさん
      コメントありがとうございます!合点いただきありがとうございます。まだまだ謎を解明していきます(^_^)

  3. minami より:

    はじめて知りました!今度ちょっと自慢しちゃお!

    1. prgr より:

      minamiさん
      コメントありがとうございます!恥ずかしながら実は僕らも最近しりました。ぜひ自慢してください(^_^)

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