Vol.2 |グリーン周りの最終兵器【R35+(プラス)誕生物語】

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PRGRのクラブにまつわる過去や、新製品開発に奮闘する現在、そして新しいクラブを世の中に生み出す未来を紹介していくノンフィクション、PRGRクラブ開発物語、通称「ギアスト!」

今回は、発売から20年以上ゴルファーに支持され続けるランニングウェッジ、R35ウェッジの追加モデルとして2025年12月に発売した『R35+(アールサンジュウゴ・プラス)』を紹介いたします。

 

R35ウェッジは発売以来多くのゴルファーに支持され、アプローチに安心感と成功体験をもたらしてきました。パターのように打って転がせて寄せるというシンプルな発想、キャリー1:ラン3という黄金比でR35ウェッジは数えきれないくらい多くのゴルファーをアプローチのミスから救ってきました。

 

しかし、それでもアプローチショットに苦しむゴルファーは、まだまだ世の中からいなくなってはいませんでした。

 

お助けクラブでも、助けられない人がいる

R35ウェッジはロフト角35度でパターに近いヘッド形状、クラブ長さで、パターのようにストロークすることにより、カンタンにランニングアプローチが打てるよう開発されたクラブです。
多くのゴルファーをアプローチのミスから救ってきましたが、すべてのゴルファーが同じ結果を得られた訳ではありませんでした。

実際に使っている方からは、

「スピンがかかって意外と転がらない。」

「R35を使っても、ダフリ、トップすることがある」

「使いづらい、むずかしい」

という声がたまに聞こえてきます。クラブのやさしさとは裏腹に現れるこの現象。開発チームはこの現象に向き合い、原因を探ります。

 

ミスの原因を徹底研究

実際にR35ウェッジでミスが出るという人たちのショットを確認すると、共通点があることが分かってきました。

 

ミスが出る人の多くは、ボールにヘッドを当てようとするために、ヘッドをしゃくり上げるような動きが強く出ていました。また、スタンスとボールの位置が離れているため、重いヘッドを横降りしてしまうことで打点がばらついていたのです。

本来R35ウェッジはパターのようにアドレスしてストロークすることで性能を発揮するクラブですが、ボールに当てようとする意識が働くと手先を使ったストロークとなってしまい、ダフリやトップ、方向性のブレの原因になってしまいます。

「どうすれば、手先の動きを抑えられるだろうか」

 

ある”グリップ”の発見

PRGR本社の研究開発倉庫には過去の様々な試作品が保管されています。

ゆくゆく大ヒットにつながるモデルの先行開発品や開発中断し陽の目をみない構造。何を目的としたものか今となってはわからない奇妙なものなど、多くのお宝が眠っています。

 

2024年の春、あるスタッフがこの保管庫で奇妙なグリップを発見します。通常のグリップよりかなり太くて重くて長い、竹輪のような形状のスポンジゴムで、しっとり柔らかくずっと握っていたくなるような不思議な感触。この謎の太グリップを見て、アプローチが苦手なスタッフはひらめきます。

 

グリップを変えると、動きが変わる

この”謎”の太グリップを計測してみると、外径が34mmで長さ320mm、重さは143gもありました。

通常のグリップに比べて太さと長さがおよそ1.5倍、重さは3倍もあります。通常のクラブに挿したらとても振り切れない重さですが、アプローチを苦手とするスタッフはこのグリップをR35ウェッジに装着してみました。

 

そして早速コースで試してみると、径が太いので手首の余計な動きが抑えられるし、重いためストロークがゆったりとしたリズムになるのでヘッドの動きが安定する。結果、従来のR35ウェッジより明らかに結果が良くなるし、何よりしっとり柔らかい握り心地が不思議と安心感を生み出し、苦手だったアプローチが何だか楽しくなってきた。

いつもグリーン周りでドキドキしていたスタッフは、いつしかワクワクしながらアプローチをしていました。

 

ランニングアプローチを科学する

そこで感覚だけでなく、データでも確認するためにPRGRのインパクト挙動測定器(RED EYES ROBO)やレーダー追尾型測定器を使用し、通常グリップと太グリップのショットデータを複数人で測定してみました。

結果、R35ウェッジ太グリップバージョンは通常モデルに比べて打ち出し角が平均0.7°低くなり、球の高さが抑えられ転がりが良くなることが分かりました。太くて重いグリップが無意識にボールを上げようとする動きを抑え、R35ウェッジ本来の「転がすためのストローク」が再現できていたのです。

 

ランニングアプローチを科学する

太グリップに可能性を感じたスタッフは、約1年をかけて全国のゴルフ場、練習場を回り、延べ200人以上のゴルファーにこのR35太グリップバージョン試してもらいます。

従来のR35ウェッジと打ち比べてもらうと、太グリップバージョンのほうが打点、方向性が安定するという人が多く、何よりその独特な感触が好評でした。中には「重くて打ちづらい」「扱いづらい」という声もありましたが、このクラブに合わせたアドレス、打ち方をレクチャーするとほとんどの人の結果が改善。それでも合わない方は、逆に通常のウエッジをうまく使いこなせる人が多く、このようなお助けクラブを必要としない方なのでしょう。

試した方からは、「どこで買えるの?」「いくらなの?」という声も多く、悩めるゴルファーが待ち望んでいるクラブだということを実感させられました。

 

悩めるゴルファーのために

こうしてアプローチに悩む多くのゴルファーから高い評価と熱い要望を得て、ゴルフをもっと楽しむためのギアとして、R35ウェッジ太グリップバージョンの商品化に向けて動き出します。

いつ作ったのかもわからない謎のグリップの再現にはかなりの苦労を要し、成分分析、加硫や研磨方法、品質のばらつきなどの難題をひとつひとつクリアしていき、何度も試作を重ね

およそ10か月の期間を要し、ようやく太グリップの再現に成功しました。

20年に渡りゴルファーに愛され続けるR35ウェッジをベースに、新開発の太グリップを装着して安全、安定、安心機能をプラスした「R35+(プラス)」の誕生です。

 

数量300本の限定発売

このR35+を2025年12月、PRGR直営店と公式オンラインショップで300本の数量限定で販売することが決定しました。

ゴルファーが100人いたら100通りの体型、スイングがあるため、クラブの打ち方に関してメーカーが言及することは通常ありませんが、R35+については試作品を多くの方に試していただく際に、このクラブで結果が出やすい打ち方、出にくい打ち方がわかったため、その打ち方も紹介することとしました。

販売店をPRGR直営店に絞ったのは一般的なクラブよりスペックが大きく異なるクラブなので、そのコンセプトや使い方を伝えられ、お客様のフィードバックを得やすいから。そして販売数を300本に限定したのは、今後の企画開発につなげるテスト販売としての意味合いが強かったからです。

 

R35+が目指したもの

例えば自動車でも、山道を繊細なハンドルさばき、的確なシフトチェンジ、豪快なアクセルワークで走り抜けて、運転する悦びを感じるドライバーがいれば、連続するカーブに恐怖を感じてアクセルが踏めない人も多いと思います。

アプローチショットも同様で、ウェッジのフェースを開閉したり、振り方を変えたり、スピンを入れたりしてカップに寄せて愉しむゴルファーもいれば、ミスを恐れてドキドキしてしまう方もいるでしょう。

このような方にひとつの打ち方しかできないような安全、安心機能を設けて、グリーン周りのドキドキをワクワクに変える。というのがR35+が目指す姿でした。

 

事故を起こすことなく無事グリーンという目的地に到着し、不安や苦しみや悲しい気分を払しょくして、仲間との語らいや美味しいランチ、素晴らしい景色など、もっとゴルフを楽しんでほしいな。というのがPRGRの願いです。

PRGRは、これからもさまざまなゴルファーのお悩みを解消し、笑顔になっていただくことを願い、クラブ開発を続けてまいります。

 

▼R35+について詳しくはこちら

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