第12話 『カップを狙え!PRGRパターの歴史年表。』

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PRGRのクラブにまつわる過去や、新製品開発に奮闘するスタッフの現在、そして新しいクラブを世の中に生み出す未来を紹介していくノンフィクション、PRGRクラブ開発物語、通称ギアスト!アマチュアゴルファーの悩みを解消すべく、創業以来研究開発を続けてきたプロギア。

今回はゴルフのスコアの40%強を占め、初心者からプロゴルファーに至るまで多くのゴルファーを悩ませる”パター”について、PRGRが悩み抜いてきた歴史をご紹介させていただきます。

 

PRGRパター初めて物語

1983年

この年、兼ねてより研究を続けてきたヘッドスピード理論に基づく、ヘッドスピード別設計のツーピースボールとカーボンヘッドドライバーを発売。同時にヘッドスピード別に設計したアイアンや、キャディバッグ、シューズなども発表し、全くの無名ながら総合ゴルフメーカーとしてPRGRはスタートします。が、

 

開発スタッフ 『う~~~ん。パターだけは明確なコンセプトが出せない。』

 

ヘッドスピードというモノサシとともにゴルフ業界に参入したPRGRですが、パターについてはこれが適用できない。ということで、総合ゴルフメーカーでありながら、ゴルフに必要不可欠なパターの発表は見送られることになります。

”パットに型無し”と言われるくらい、様々なパッティングスタイルが存在し、正解というものがみつかりません。開発者としてもゴルファーとしてもまだまだ初心者レベルであったPRGR開発チームにとって、パターのコンセプトを探すことから開発がスタートしました。

 

1985年

ゴルフ業界参入から2年後。PRGR初のヒット作であるステンレス鋳造アイアンのCT500シリーズのフルラインアップとともに、遂にその時が来ました。

PRGR初のパター、通称”トップスピンパター”を発表します。

開発チームがパター開発において着目したのは、”ボールの転がり”でした。

プロ、上級者と自分たち100切りを目指すゴルファーの違いを研究すると、上級者のボールはカップに吸い込まれていくのに、自分達のボールはカップ際で曲がったり、カップに蹴られたりすることが圧倒的に多いことに気付きます。そこで、それぞれのボールをストロボ撮影し、ボールの転がりを調べると、上級者のボールはバックスピン量が少なく、早い段階で順回転していることがわかりました。

 

開発スタッフ 『そうか、上級者のボールは順回転しているからカップ際の傾斜や、スパイクマークにも影響を受けづらいし、カップの土手に当たっても蹴られること無く真下にカップインしていたのか。アマチュアにもこの転がりが打てれば、カップインの確率はアップするはずだ。』

 

こうして開発テーマを”順回転を生むパター”に絞り、およそ2年の開発を経てデビューしたのがトップスピンパターです。

アイアン同様中空構造にすることでスイートエリアの拡大も狙ったモデルでしたが、残念ながらヒットするまでには至りませんでした。が、その後のPRGRパターの方向性を示す重要なモデルとなります。

 

1995年

トップスピンパターの発売から約10年が経過し、CT500アイアンシリーズはDATA600アイアンシリーズへ。高精度な重心設計と精密な製造技術によって生まれたDATAアイアンは、競技ゴルファーにも高い評価を得ました。そこでパターもCTシリーズからDATAシリーズにモデルチェンジ。コンピュータ制御による削り出しにより、高精度な重心設計を可能とした本格パターです。

 

 

1997年

さらにDATAパターは、パッティングスタイルに応じて重心角を変えたシリーズにモデルチェンジ。現在のマレットパターに通じるフェースバランスモデルがラインナップに加わります。

 

2001年

DATAアイアンの終了とともに、パターも新たなシリーズに移行します。初代PRGRパターのコンセプトであった”順回転”を開発コンセプトにしたSLOPEパターを発売。

トップブレードにアイアンの様な傾斜(スロープ)を付けたモデルで、自然とイントゥインにストロークが出来、順回転を生み出せます。フェース部に樹脂を採用した打感の柔らかいSシリーズと軟鉄鍛造のBシリーズをラインアップ。

 

物凄く入る!と一部のゴルファーからは大絶賛のモデルでしたが、プロが使用しないとなかなか話題にならないのがパターの辛いところ。ヒットには至りませんでした。

 

開発スタッフ 『今までPRGRならではの数々のヒット作を生み出してきたけど、、、パターは難しい!!

 

2005年

そんな開発チームが次に世に送り出したのは、大きな慣性モーメントとアライメントサインを持ったマレットタイプのTパター。小振りな軟鉄削り出しモデル、オーソドックスサイズ、大型ヘッド、流行の中尺などもラインアップ。

このパターを当時契約していた日本を代表するプロが使用し、徐々にPRGRパターの注目度が高まります。

 

開発スタッフ 『見た目や流行を追い求めても長くは続かない。パターのコンセプトを確立し、柱となるモデルを作っていかないといけない。』

 

開発スタッフは再びPRGRパターのコンセプト作りに挑戦します。

 

シルバー・ブレード旋風

2007年

そうして試行錯誤すること2年、アルミフェースとステンレスボディによる複合素材パター、Silver-Blade(シルバー・ブレード)が登場します。軽いアルミをフェース部に、重いステンレスをボディに採用することによって重心を深く、慣性モーメントを大きくすることに成功。シルバーのトップブレードがアライメント機能を備えるため構えやすく、ボールを後ろから押すような転がりの良さは、PRGRパターの代名詞とするには十分な性能を持っていました。

翌2008年。

毎年8月に福岡で開催される男子プロトーナメントのグリーンは、芝目の強い高麗芝でした。ベント芝の高速グリーンに慣れたプロはタッチが合わず毎年苦労していたため、プロ担当が転がりが良くてタッチを合わせやすいマレットタイプのセンターシャフトを契約プロに勧めます。契約プロは半信半疑で試してみるとビタビタとカップに寄ったため、試合で使用してみるといきなり優勝争いをするほどの大活躍。ここからシルバーブレードの快進撃が始まります。

翌週からもPRGR契約の男子プロは毎週のように優勝争いを演じ、立て続けに2勝を上げ、契約外プロも含めてツアー後半でシルバー・ブレードパターのセンターシャフトだけでなんと4勝を飾ったのです。

もともと最も人気が無かったモデルがセンターシャフトだったので、数量限定としメーカー在庫も市場在庫もあまり無かったため、一時オークションで定価の3倍ほどの値がつくくらいにプレミア化し、PRGRシルバーブレードとセンターシャフトの名が世の中に一気に広まりました。遂に、遂にパターでもヒット作を生み出すことに成功したのです。

 

2009年

シルバー・ブレードパターの登場から2年後、オーソドックスなヘッドサイズに加えて大型マレットで太グリップのSilver-Blade M(マレット)シリーズが加わります。

2010年

そして初代シルバー・ブレードの発売から3年が経ち、2代目が誕生。Silver-BladeⅡはフェースをミラー仕上げにして余分なスピンを抑える設計とします。

 

2011年

翌年には打感の柔らかい樹脂フェースモデル、Silver-BladeⅡS(ソフト)が登場。ヘッドが白くなりイメージを一新します。

この年から毎年新しいモデルを追加発売していく商品サイクルを確立します。

 

2012年

Silver-Blade HB(ハードブラック)発売。金属フェースならではの打感と原点回帰のブラックボディで、Silver-BladeⅡSと対比。

2013年

Silver-Blade ZN(ゾーン)発売。Silver-BladeⅡSのモデルチェンジで、ボールの直径と同じ幅のイエローのラインが、パッティング軌道を残像化してスムーズなストロークを演出。

 

2014年

Silver-Blade FF(フローフォルム)発売。ストローク中のヘッドが動いている姿を形状化したデザインで、ヘッドをスムーズに動かせるのが狙い。

 

2015年

Silver-Blade FF-B(フローフォルム・ビッグ)発売。FFを大型化して安心感をプラス。フェースには樹脂を採用し、隔年で打感を変えている。

 

2016年

Silver-Blade HV(ヘビー)発売。ヘッド、シャフト、グリップを重くして、安定感とブレにくさに特化。総質量が640グラム前後あり、従来モデルよりおよそ100グラムもクラブ質量がアップ。

 

2017年

Silver-Blade BB(ビー・ビー)発売。アルファベットのBのようなヘッド形状によるビッグなヘッド慣性モーメントと、ヘッド後方に質量を集約したバックウェイトが打点がバラついても球筋を安定させる。

 

2018年

Silver-Blade CC(センター・コンセプト)発売。センターシャフトをメイン設計とし、C型ヘッド形状により慣性モーメントをアップ。

 

2019年

Silver-Blade DD(ディー・ディー)発売。D型形状による慣性モーメントのアップ。さらにフェース裏のオレンジバーにより、ボールの赤道にフェースをヒットしやすくした。

 

2020年

Silver-Blade EE(イー・イー)発売。E型形状で方向性をアップ。目標に対して構えやすく、ストロークも安定。

全ゴルファーの声 『B、C、D、Eと来たら次はF。。。あれ?FFって無かったっけ?』

 

開発スタッフ 『・・・。』

 

シルバー・ブレードの進化

2021年

初代シルバー・ブレードパターの登場から14年。高慣性モーメントと深重心、アライメント機能という基本性能を軸に様々なモデルが登場してきましたが、今年発売するシルバー・ブレードの最新作は、真のシルバーブレードというべきモデル、Silver-Blade α(アルファ)です。

初代のデザインを踏襲しながら、削り出しアルミフェースとステンレスボディを高精度に設計。柔らかいながらも金属特有の打球感と打球音を得て、オーソドックスな形状でありながら慣性モーメントを拡大。そしてそれぞれのヘッドモデルで初代より構えやすさなどの修正を施した、まさにプラスアルファの機能を持つパターです。

14年間の間に13モデルものシルバー・ブレードを開発し続けた開発チームの根性と知見の結果、遂にシリーズの集大成とも言うべきモデルが誕生しました。

 

商品企画スタッフ 『長く使っていただける相棒となるべく、仕上げにもこだわっています。また、ヘッドカバーも今回はマグネット開閉式なのでグリーン上でも気を使わないで大丈夫です。』

※Silver-Blade αの性能を身をもって体感する商品企画スタッフ。この模様は【新サイエンスフィット日記 Hole152】でぜひご確認ください

腕前、レベルに関係なく、多くのゴルファーの苦悩の原因となるパッティングに挑戦し続けてきたPRGR開発チーム。今回、PRGRパターの完成形としてひとつの答えを出したものの、まだまだゴルファーの悩みに終わりはありません。開発チームは引き続き今日もまた、新しいパター開発への挑戦を続けるのでした。

 

さて、過去12回に渡りPRGRの歴史や過去のクラブを紹介してきましたが、そろそろ”これから”のクラブ開発を紹介していきたいと思います。次回からは新章に突入し、今まさに悩めるゴルファーに向き合う開発チームの姿を紹介していきたいと思います。お楽しみに!

つづく

 

コメント

  1. 捕らぬ狸 より:

    そんな歴史があるとは知らずセンターシャフトのパターが欲しくて3年ほど前にシルバーブレードCS03をネットオークションで買いました。それ以来愛用しています。今度のSB α-CS03も気になりますね。何といっても集大成ですからね。

    1. prgr より:

      捕らぬ狸さん
      コメントありがとうございます!PRGRがセンターシャフトにこだわるのは、2008年のツアーでの大ブレイクがきっかけでした。集大成のSB αもどうぞご期待ください!

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