有識者に聞いた。あなたの、あなただけのドライバーえらび

ドライバーが苦手。理想のクラブを模索中。

クラフトマン / クラブフィッター 鹿又芳典

年間2000本もの最新モデルをテストしゴルフメディアでわかりやすくその性能を解説。そしてフィッターとして多くのゴルファーの課題解決をサポートする鹿又氏。クラブに精通した同氏に自分自身のクラブ選びについてのこだわりをインタビューした。


Q. あなたが選ぶドライバーの飛ばし方は?

(鹿又)クラブフィッターを20年以上やってきたけど、お客様の結果を出す、飛ばすためのアイテムは3つです。ひとつ目がヘッドスピードのアップ。これは軽量化、長尺化などで達成します。ふたつ目がミート率をあげること。これはクラブ長さやフェースをスクエアに戻すためのヘッド設計で実現。最後にそれらを取りまとめる弾道です。たとえば高打ち出し低スピンで飛ばすタイプとか中弾道で転がして飛ばすタイプなど。

ちなみに高打ち出し低スピンの弾道はある程度ヘッドスピードのある方に効果的な飛ばし方で、アベレージヒッターには、中弾道でランを使いながら飛ばす方法を提案しています。大きく言うとこういう考え方でお客様の目的にも応じながらベストマッチのクラブを提案しています。

PRGRはスピンを抑えて飛ばすRS、弾道の高さで飛ばすLS、ミート率で飛ばすegg44という飛ばし方の異なる3つのクラブをラインアップされていますが、とりあえずその3つを打つと自分はどれが振りやすいのかという方向性が見えてくると思います。そのクラブでどういうスペックにすれば自分が求める弾道を得られるか、結果が揃うかということを見つけていけるので、僕がフィッターとしてやってきたことと、PRGRさんの発想、プロダクトは近いなというのを感じますね。

その中で自分に置き換えていくと実は僕、14本のクラブの中で一番ドライバーが苦手なんです。嫌いです(笑)。ティーアップするクラブが苦手で、何とかドライバーを打てるようにずっと自分のドライバー探しをやってきました。以前、1年くらいかけて43インチから47インチまでを0.5インチピッチで試したこともあるんです。自分のなかの理想は45インチ以下の長さでフルサイズの捕まりの良いヘッドで最高飛距離の出るもの。でも自分が取り組んできた中でそういう結果の出るクラブはまだ見つかっていません。

で、どこに落ち着いたかというと45.5インチ前後の球の捕まりが良くスクエアに当てやすい、中弾道でランの出るドライバー。これが結果的にドライバーの苦手な自分が飛距離と安定性のバランスを取れたクラブです。僕はコースだとヘッドスピード40~42m/sくらいで振っているからキャリーで飛ばすというのは難しいので、キャリーで210ヤード飛ばして、30ヤード転がす飛ばし方を選んでいます。

長いクラブは確かに上手く打ったときに飛ぶんだけど、上手く打ったときとちょっとずれたときの差が大きかったんですよね。そして短くしたら絶対曲がらないかといえば自分の技量ではそうでもなくて...。
いろいろな実験の結果の妥協点がいまのクラブです。ドライバーはずっと模索しています。なぜならドライバーが苦手だから。そういう人多いと思いますよ。44.5インチのegg44も興味あります。リシャフトして色々試してみたいです(笑)。

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Q. あなたがドライバー選びで重要視するものは?

(鹿又)求める重要度の一番は飛距離です。その次にデザインです。その次に音とか機能かな。ドライバーというのは一番遠くに飛ばせるクラブなので、やはり飛距離が出る可能性を持ったものでないと意味が無いと思います。音とかは慣れてくるし、反発力や許容性などの機能よりも結果のほうを重視しています。機能というのは作り手側のエゴが出るので、機能を色々盛り込んでも結果が出ないと意味がありません。要するに私が重視するのは結果と見た目。ティーショットを打った際に今までよりも飛ぶことが大事で、その要因が反発力などの機能なのかもしれないけど、使い手にとっては結果が全てですね。

デザインの好みは、アドレスしやすい、構えやすいというのは大前提。打ち出しの方向と高さがしっかりイメージできるというのが構えやすさとして大事です。それはフェース面だけで出来ているわけではなくてネックからフェース面へのつながりだったり、ヘッド全体のシルエットだったり投影面積だったりするので、そこらへんがモデルとしてまとまっているものが良いですね。あとはソールデザインも重視します。結果には影響しませんが、キャディバッグに入っていて存在感があるもの、所有感を満たしてくれるものが良いですね。やっぱり遊び道具なので、そこは大事ですよ(笑)。


Q. あなたの記憶に残るPRGRクラブは?

(鹿又)一番自分が衝撃だったのはZOOMi.(1997年)、ZOOMf.(1998年)ですね。こんなことがゴルフクラブで出来るんだなあと驚きました。当時はショップに勤めながら競技ゴルファーとしても活動していたのですが、その時代のPRGRのクラブは魅力的なものが多かったですよね。

僕もDATA601アイアン、DATA701アイアン、ワッツウェッジなどを使っていました。PRGRは多くのゴルファーのテストデータを集め、見えてきた課題を科学の力で画期的なプロダクトとして世に送り出し解決する、ゴルファーに寄り添っているメーカーだなあという印象が強く残っています。

飛ぶスプーンを作るのも上手いメーカーですよね。男子ツアーの世界でもまずZOOMf.を契約外のプロが一斉に使って、H/S赤パワーのスプーンになって、DUO HITになって、初代のエッグスプーンになって。PRGRのスプーンは変な形だけど飛ぶというイメージがあります。

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※本インタビューは2021年10月に実施したものです


鹿又芳典 / KANOMATA Yoshinori

1968年生まれ 東京都出身

カウンセリングを主体にしたクラブ診断が初級者からトップアマ、プロにも大きな信頼を得ている凄腕クラブフィッター。雑誌、テレビなどのゴルフメディアに引っ張りだこで、“ゴルフギアのご意見番”として活躍。年間のクラブ試打本数は2000本以上。ギア好きのゴルファーに向けた会員制コミュニティサイト『3up CLUB』のキャスターとして活躍中。ゴルフショップマジック(千葉県千葉市)代表。

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